最後の味スタ

こんばんは!

試合前日に話をするのはいつ振りだろう・・・。話をする中で想いを整理して試合に向かっていた当たり前の日常から遠ざかっってしまい、それが今回で最期になってしまうと考えると感慨深いです。

正直なところ色々あり過ぎて整理出来ません。まだ振り返ることはしたくないし、でもこれまでの積み重ねがあったから今の自分がいる。ピッチに立てば全てがフラットになって自分らしい姿を目指し、皆とひとつになる姿を目指し、勝利し喜び合う姿を目指す、ただそれだけ。

そのシンプルな姿を怪我をしてからずっと追い求めていました。選手である以上ピッチで全てを感じ、ピッチで全てを表現する。それが叶わないもどかしさ。クラブが苦しい時に力になれないもどかしさ。

練習に合流し、皆とピッチで切磋琢磨し始めてようやくその感覚と本当に自分が追い求めていた姿に近づいてきた喜びは言葉には代え難く、その期間は短いものだったけど、充実し成長している感覚を今まで以上に得る事が出来た。

もちろんこれらはゴールではなく、その先に待つ喜びを掴む繋がりに過ぎない。

でもこの繋がりがなければ本当に自分の求める姿にはなれない。

その姿をはっきりとイメージしながらひとつひとつじっくり焦らず前を見て積み重ねる作業は決して簡単ではなかった。

その時々で自分に出来るアクションを起こしながら、信じ、時に自分を心から信じられなくなりそうな時は無理やりにでも言い聞かせながら・・・。

自分にとって最期のあるべき姿がはっきりしていたから突き進んでこれたと思う。

そしてサポートし続けてくれた皆の想い。

気づいたらある時から自分だけのサッカー人生ではなくなっていた。正直、時にプレッシャーになることも少なくなかった。でも皆の願い、想い、人生を俺のプレーであり姿に重ねてくれた中で共に感じてきた喜び、悲しみ、苦しみ・・・何倍何十倍にもなって力になった。

プロサッカー選手として歩んできた中での一番の歓びです。

明日、明後日と、プロサッカー選手としての一番の歓びを皆とひとつになる中でピッチの上で感じたい。

出し尽くし楽しみ尽くす。

石川 直宏の生き様を最期まで見届けて下さい。よろしくお願いします。

FC東京 no.18 石川 直宏